おれのにっき

何か問題でも

高専プログラミングコンテストのサウンドトラックをつくった(準備編)

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10月11日・12日に開催された全国高等専門学校 第26回 プログラミングコンテストで、競技部門で毎年新規に作成されているオリジナルBGMの過去5大会分を収録したサウンドトラックCD「Program Your Beats」を頒布しました。

ost.procon-online.net

ネット上でも予想を超える反響があり、会場頒布として確保していた在庫は完売することができました。これはひとえに鈴木先生が作曲された曲たちが非常に素晴らしい曲であるということ、またプロコン参加者のみなさんがこの曲達を愛しているということだと思っています。 私をはじめとするPROCON O.S.T. Projectのメンバーも「曲を愛する」人々の一員であり、今回我々がそのCD化の企画に関わることができたことを非常に光栄に思っています。

プロコンでは最近ソースコードを公開するのが流行っているようですが*1、我々はプログラミングとはちょっと違う次元で色々やっていたため、公開するようなものもありません。 ただせっかくなので、次回CDを作ってくれる人が現れた時とかのために、作った経緯やノウハウなんかをここに記したいと思います。 内容が内容なのでどうしても若干泥臭いというか、面白くもない裏話がダラダラと続くので、読みたい人だけ読んで下さい。

教授の声は鶴の一声

2010年の高知大会で初めて競技試合進行中に流すためのオリジナル曲が作曲され、以来5年間に渡り毎年新たに作曲されていたBGMですが、前々から「CD化しないの?」みたいな話しはちらほらと出ていました。私の所属する研究室の教授はプロコン委員を務めており(特集冊子にも登場するT先生)、曲の製作にも関わっているので、5月頃に「BGMのCD化はしないんですか?」と聞いてみたら「じゃあしようか」という一言で製作が決定。それからあれよあれよと自分が作ることになったわけです。つまり下記は事実に基づくネタ。

製作のメンバーは最近はあまり顔を出していないシステム研究部の部員から、製作に必要なスキルを持っている人を集めました。今年はプロコンの自由・課題が1つも通ってなかったので、部内でも優秀なメンバーをあっさり確保。製作メンバーでの初ミーティングは7月頭。ここでだいたいの方針を決めていきます。以降細かい連絡はメンバー専用のメーリングリストを作成し、それを使って行うようにしました。

CDの製作

今回CDは業者によるプレス生産にしました。「コピーではなくプレス」というは企画開始前からの私の強い意向の一つでした(コピーとプレスの違いはこちら)。最初は「CD-Rを買ってきて人力で焼いてしまおう」という案もあったのですが、「しすばこ」という過去の経験から100枚を超える生産にはかなりの人手が必要になることがわかっていること、またレーベルや中身の印刷物は家庭用プリンタでは品質が劣ってしまうということも大きな欠点です。業者に頼むと高いような気がしますが、できる品質を考えれば当然の出費だと思います。印刷はレーザプリンタでどうにかなってもプレス盤の製造なんて家庭では絶対できないですから。

あと準決勝までの曲と決勝では曲の長さはもちろんのこと、年によってはアレンジが若干異なることがあるのですが、なにしろ1曲が普通の曲より長いので、全部入れるとCD2枚組になってしまい、1枚あたりの値段が上がってしまいます。教授を始めとする我々の考えとして「1000円なら学生でも十分買いやすい値段であり、それ以上は売れにくいのではないか」というものがあったので、決勝バージョンのみの曲を入れた1枚のCDになりました。

デザイン

今まで冊子などの印刷物は何度かデザインや入稿の経験はあったのですが、CDは一度も経験がなかったので終始あたふたしてました。

レイアウトについては同級生の友人に相談をしました。この友人こそがジャケットに登場する女の子を描いた人なのですが*2、レウアウトについても色々意見を交わしています。その結果、女の子がメインではなくあくまで引き立て役として使うことになりました。元々「なんかいい感じの写真」を使えればという案もあったのですが、ジャケットにする写真が乏しいこと、あとプロコンに参加する人たちはアニメ文化なんかには非常に寛容なので、キャラを置くことで購入してくれる人を増やすという狙いもありあました。結果、そうできているかはどうかは分かりませんが。

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初期のレイアウト 白背景でタイトルのフォントも異なる

この相談の段階でマゼンタとシアンを交差(加算)させた帯、女の子をドット調にするという基本レイアウトが既に出来上がっています。以降はこれを元にいくつかレイアウトをいくつか出してはメーリングリストで「どれがいいですか?」と他のメンバーに問いかけて意見をもらいつつ良かったものを採用し、ブラッシュアップをかけていきます。丁度この時期にアルバイトの仕事が佳境を迎えていて、その作業と並行しながらだったので、ジャケットのデザインだけで1ヶ月ぐらいかかっています。

ちなみに背景が黄緑になったのは、メンバーの一人である らりょす(id:raryosu) が一時期しきりに「黄緑が〜」みたいなことを言っていたせいおかげです。

そんな感じでお盆のほとんどをジャケット作業に当てて決定稿が出たのが8月17日のこと。「ジャケットできたーばんざーい」と思っていたのですが、ここでCDにはデザインしなきゃいけない場所が多いということに気が付きます。

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入稿データの一部 CDは薄い割に結構デザインする部分が多い

  • ジャケット
    • 内容2ページ
    • ジャケ裏(表4)
  • バックインレイ(表・裏)
  • 帯(キャップ)
  • 盤面

入稿は9月初旬を目指していたので、ペースとしてはかなり遅れ気味。というわけでお盆明け以降もひたすら残りの部分をレイアウトしていくことになります。ただデザインと配色はジャケットを元に進めていけるのでスムーズに進み、9月の第2週には音源とともに入稿を完了しています。

楽曲のマスター

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収録した音源は作曲者の先生からご提供いただいた完全なマスター版です。これ以上の音質のものはこの世に存在しないと思います。最初は競技システムに入っていた音楽ファイルが取得できる最高の音源だったのですが、mp3で圧縮されていたり、wmaだったりpeakしてたりとなんかもう滅茶苦茶な状態でした。なのでインタビューの際にマスター版をいただけないか聞いてみたところ、いただけるとの事。最高の音質のものを収録することができています。また、ボーナストラックとして収録している、Expression of Streamのリマスター版もインタビューの時に急に出てきた話で、作曲者の先生は「入れても入れなくても〜」と仰っていたのですが、私が「ぜひ!」と押し切り、収録することになりました。

ちなみに音源のマスター作業は、オーディオに詳しい 醤油差し君(@syouyusashi) が担当。各曲の音量調整や無音部分の調整を行ってくれました。

通常の楽曲と比べて若干音量が小さい気がするのは、元々頂いた音源を正規化するとあの音量になったからです。あれ以上音量を上げると元の波形が失われてしまいます。言うなれば「聞きやすさより再現性を優先させた」という感じです。高専生なら音量を上げる必要があれば適宜編集ソフトで勝手に上げることは造作も無いでしょう。

冊子

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インタビュー冊子については一番最初のミーティングの時点で既に計画に上がっていました。製作する私達も作曲者の先生とは直接会ったことがなく、うわさに聞くだけだったので「ぜひ会ってみたい」という気持ちも強かったです。

というわけで教授経由で作曲者の先生に交渉した結果、快く応じていただけることになったのですが、喜んだのもつかの間。インタビューの筋書きや質問についてあらかじめ用意する必要があるからです。Googleドライブを使ってメンバー全員で「あーでもない」「こーでもない」と言いながら考える作業が続きました。

インタビューの内容は冊子を読んでいただければと思いますが、インタビュアーとその文字起こしはらりょすが、写真撮影とレイアウト・編集作業を私が行いました。デザインにはInDesignを使用。やはり文字組みはIllustratorなんかじゃ無理です。デザインが若干微妙なのはジャケットのレイアウトにかなりの時間を割いてしまったためです。

広報活動

CDを作っても売るためには積極的な広報活動が必要であると感じていたので、特設ウェブサイトを立ち上げて、Twitter上で宣伝することにしました。7月24日にティザーサイトを公開。その時にページに載せた内容は「製作決定したよ!」「プロコンの会場で頒布するよ!」ぐらいで、それ以上はまだ確定した情報ではなかったので勝手に流せませんでした。

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最初に公開したウェブサイト 背景には動画を埋め込んだ

Twitter上での広報活動で活躍したのがらりょす。フォロワー1000越えの力と、謎のカリスマ性によって拡散されまくります(怖い)。

ちなみに現在のレイアウトになったのは9月23日。ここで決定しているほぼすべての情報を公開します。SoundCloudに置いた試聴版を埋め込んだら一気に同人CDサイトっぽくなりました。

その後もたゆまない宣伝活動の結果、10月頭にはGoogleにサジェストされるようにもなってしまいました。

そんなこんなで当日に向けた準備は順調に進んでいきました。

(長くなったので当日編に続く?)

*1:Proconist https://proconist.net/ もよろしく!

*2:実は一部で有名なすごい人